五感ってあるでしょう、視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚ってやつ、そして情報の八割は視覚から入ってくるらしい。昔から目は良かった。視力検査で全く問題がないから眼科の診察を受けたことがない、視力は両目とも1.3くらいだった気がする。見上げれば小さな星だって見えるし、ちょっと遠い看板の文字も見える。感覚の八割を占めている、感覚の長、目なんてなんぼよくたっていい。
あと最近、触覚もそこそこいいんだと気付いた。幼い頃から手遊びをする癖があって指先が敏感なのだろうか?いつも無意識に素材に触れている、ここの手触りが良いと言っても理解されない。これは果たして指先が敏感なのか私の頭がおかしいのかという問題ではあるが。
しかし、他がダメだった。壊滅的な味音痴、高校のときはファッション味蕾と言われたくらいである。味が濃くて美味いものがいちばん素晴らしいに決まっているし、好きな食べ物は山岡家とマクドナルド。酔っ払っているときに好きな食べ物の座標を書かされた、X軸が濃い薄い、Y軸が美味い不味いだったのだが、第二象限(濃い美味い)ばっかりだった。さすがにファッション味蕾かも、と思った。
あと嗅覚も、匂いが分からないというよりは匂いに鈍感だ。柔軟剤なんて全て同じだし、芳香剤を置いた家と置いてない家の違いがわからない。カメムシが死んでいても分からないし、銀杏も別に臭くない。ただ人に借りた服とかは、なんとなく匂いが違うことが分かる。鼻がバカでも他人の匂いは落ち着く。
そして聴覚、これが問題である。音響障害による突発性の難聴らしく特に左耳の聞こえが悪い、接客業との相性が悪すぎる。なにこれ、tofubeats?聞き返さずに会話できたらいいのになとずっと思っている。君の話に興味無いんじゃなくて聞こえないだけなんだ、ごめん。4000Hz以外で、右から話しかけて。
「五感、2勝3敗」と言われた。たしかに、と思った。おかしい、こんなに感覚器官があるのに3つも使い物にならないなんてハンデすぎる。こうなると第六感に賭けるしかないわけで、いい歳して厨二病の私はワクワクするのだ。何が目覚めるかな?いつかな?ビームとか出るのかな?ああ、なんか心とか読めたらいいな。
冷静に、第六感って何?
でも、よくよく考えたら八割が視覚なら他がボロボロでもいい気がする。世の中には見えないものより食べれないものの方が多い。乾燥剤に「見ないでください」と書いてあることはないし、食べれないものを食べようとして望遠鏡を覗き込むことはない。香水を嗅ぎ分けられなくても、メガネなしで生活できる方がいい。だって好きな人に知らない香水の匂いが付いても、知らない方が傷付かないし。