約一年ぶりに体調を崩した。昨日からあまりよくなかったが、いけるいけるとラーメンを食べ夜更かししたのが祟ったのだろうか。悪寒がひどい、この部屋だけ気候帯が違う。喉も痛い。バイト先に休みの連絡を入れ布団に潜る。「代わりの人は自分で探してください」とラインがくる、こっちは病人だっちゅーに。オイオイ労れよと小声で呟き、看病サブスクがあったらなあと馬鹿なことを考える。
喉が痛いから余計なことを喋らずに済む。もとより日常的に会話する相手など特にいなかったが、一人暮らしを始めてから著しく会話量が減っている。適切な量の会話がわからない。いつだって言わな過ぎか言い過ぎかの二択。言語メロス。言わなくていいことを言って喧嘩になるということを幾度となくやってきた。開示のさじ加減がわからない。
以前恋人と別れた時、復縁の話になった。上手くいかないかもしれないけれどやり直したくて、パワポで復縁のメリットについてプレゼンした。何度も好きだと言った、そこでやめておけばよかった。進展しない話にむしゃくしゃして「私のこと好きな人はいっぱいいるんだから、そっちと付き合うからね」と言った。どうしようもない女がどうしようもない男とどうしようもない話をしている地獄。地道に作ったパワポはなんの説得力もなくなったし、復縁もしなかった。
余計な一言って言った後にしかわからなくて、言った後の相手の苦い顔で全部後悔する。おしゃべり癖が幼少から治らなかったことの弊害。相槌などなくても進む会話、特急、オチのない落語、光の速さで変遷する話題、もっと意味のある会話がしたい。自分勝手なようで、私自身は会話の基準が常に相手にあるように感じる。この人はこの話をしたら嫌な顔をするだろうなと思えば大切なことも言えなくなる。重たい話題、腹を割った話し合いが苦手で、黙る、逃げる、嘘をつく。マイナスのコミュニケーション。いらんことばっか喋らないで言いたいことを言えと言われる。
私がどう返事をしたら今後の会話が円滑になるかを考える。私は会話の歯車でしかなくて、噛み合って成立するためにここにいると思っている。意見がない。私がずれたらコレ、壊れちゃうかもしれないし。自分の外側が全て釣り合いの取れた状態で生きていたい、機械的に。でも私はおしゃべりだから、私のこともっと知ってほしいから、どうでもいい会話の余計な一言で今日も何かを破壊する。
インターネットは便利だ、何時間かけて返事してもいい、しなくたっていい。逆に私が話したことを、無理に見たり返事する必要もない。心地よい究極の壁打ち社会。見てほしい、見せたくない、見たい、見て見ぬ振りしてほしい、見ても何も言いたくない。即席でありながら洗練された、グロテスクなまでの自己。インターネットの人格が私のどの部分かもうわからないけれど、ここには余計な一言であなたを怒らせるような私はいない。もう一生風邪ひいてインターネットエンジェルにでもなっちゃおうかな
Twitterはダメ、思ったことそのまま出ちゃうから。でも今日も消せなかった、邪魔くさい自己顕示欲、自尊心の亡骸、ほぼ丸2日引きこもっていて話し足りなくてこんなものを書いていたら熱が一度上がった。